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サプライヤーエンゲージメント評価(SER)とは、企業が気候変動に関してどのようにサプライヤーと関係を構築し、サプライチェーン内における削減活動に向けて取り組んでいるかをCDPが評価し、A~Fでスコアを付与する評価制度のことです。サプライヤーエンゲージメント評価専用の質問書があるのではなく、CDP気候変動質問書の回答に基づき評価されます。
この評価は2016年に導入され、2023年で7回目の発表。2018年まではCDPサプライチェーンメンバーと顧客企業の要請に基づきCDPに回答している企業が対象でしたが、2019年以降は投資家の要請のみに基づき回答している企業にも対象が広がりました。
この評価導入の背景にあるのは、企業がサプライヤーエンゲージメント戦略を考える際に直面する、下記のような課題です。
サプライヤーエンゲージメント評価は、これらの課題解決を通して、購買組織・企業間のエンゲージメント強化に貢献。さらにベストプラクティスを選定することで、グローバルサプライチェーンにおける排出量削減の取り組みを推進することを目指しています。
では実際、サプライヤーエンゲージメントはどのような基準のもと評価されるのでしょうか?基本的には CDP気候変動質問書内の以下4つの主要分野の回答に基づいて評価されます。
また上記4分野に加え、CDP気候変動質問書全体のスコアも、パフォーマンス総合評価として考慮されます。
具体的なウェイトは下記の通りです。
前述した4分野の回答は上記ウェイトに基づき評価され、最終的には以下の閾値に従ってサプライチェーンエンゲージメント評価に換算されます。
サプライヤーエンゲージメント評価で最高評価を獲得するためには、顧客企業または投資家からのCDP回答要請に基づく情報開示内容を一般に公表することがマスト。
その一方で、フォレスト質問書や水セキュリティ質問書、サプライチェーン追加質問(気候変動/フォレスト/水セキュリティ)への回答内容は、サプライヤーエンゲージメント評価の評価対象外となるので注意しなければなりません。
その他採点基準の詳細や各質問の配点は、今後CDPウェブサイトガイダンスページ上に更新される予定です。(※2023年版のサプライヤーエンゲージメント評価基準はこちらからご確認いただけます)
サプライヤーエンゲージメント評価では、CDPの他のスコアリングと同様A~Fのスコアを付与。その一方でスコアは一般には公開されず、回答企業とその企業に要請を行った企業のみにフィードバックと共にメールで通知されます。
ただ最高評価のAを獲得した企業に関しては、CDPサプライチェーンレポート内で公表。「サプライヤーエンゲージメント・リーダー企業」として掲載され、自社の評価を対外的にアピールすることができ、優秀企業用のCDPロゴ等も提供されます。
CDPは今後、他のスコアリング基準のようにサプライヤーエンゲージメント評価の評価基準を逐次修正し、さらに強化していく姿勢を示しています。実は自社の直接排出量の11.5 倍にあたると試算されている、企業活動の上流排出量。その影響力の大きさやCDPの姿勢も踏まえ、企業側は今後CDP評価だけでなくサプライヤーエンゲージメント評価も気にしていく必要が出てくるかもしれません。
株式会社エスプールブルードットグリーンでは、CDP質問書に回答される企業様のご支援を行っております。また他にも、カーボンオフセット支援やCO₂排出量算定など、環境への取り組みをトータルでサポートする様々なサービスを展開。「もっと具体的に知りたい!」「自社だけでは難しいかも」などご要望がありましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
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