脈々と受け継がれる環境意識、唯一無二の伴走型サポートでさらなる高みに

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インターホンの専業メーカーとして、1948年から70年以上にわたり事業を展開しているアイホン様。環境関連の情報を積極的かつ詳細に開示されており、外部から取り組みについて聞かれることも多いという同社ですが、取り組み当初は課題も多かったそうです。同社はどのような過程を経て、積極的な発信かつ詳細な開示に至ったのでしょうか。経営企画部のお三方に伺いました。

創業より受け継がれてきた、環境への思い

“アイホン様の事業とサステナビリティへの取り組みについて教えてください。”

当社はインターホンの専業メーカーとして、事業を展開してきました。国内はもとより海外70ヶ国以上にも販売しており、現在は海外市場に向けて積極的に商品を展開しています。そんな当社が創業より大切にしてきたのは、企業理念にも掲げられている「他人に迷惑をかけない」ということ。ものをつくり出すメーカーである以上、しっかりとした品質の製品を市場に出し環境に配慮することが当たり前であると、経営トップから口酸っぱく言われているのです。こうした風土があるからこそ、環境に関する取り組みもかなり敏感になって進めてきました。

まず製造過程においては、環境に配慮した設計を古くから継続しています。たとえばマンションのエントランスに設置されている集合玄関機。今までは操作パネルと回路設計部分が一体となっていたところ、現在は分別できる設計に変更しています。これにより使用後まるごと廃棄する必要がなくなり、資源回収もしやすくなりました。このようにものづくりの中に環境という視点を置くことで、新たなイノベーションが生まれたり、それにより企業価値が向上したり、さまざまな効果につながると感じています。

また最近はものづくりだけではなく、サービス面にも力を入れているところ。数年前より問題視されている再配達の改善に向け、当社ではセキュリティを担保しつつ配達員がマンションのオートロックを開けて家の前まで荷物を届けられるサービスの提供を始めました。これには配達員の負担だけではなく、再配達時のCO₂を減らせるというメリットも。こうした環境負荷を低減できるサービスの提供も進めています。

アイホン株式会社インタビュー中画像1
アイホン株式会社
管理本部 経営企画部 主幹
水谷様

求めていたのは、伴走してくれるパートナー

“どのような理由から、支援企業としてエスプールブルードットグリーンを選ばれたのでしょうか。”

当社では1998年に環境管理委員会を設置し、1999年には環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO 14001を取得するなど、比較的早いタイミングで環境対応に取り組んできました。その一方で2021年6月にコーポレートガバナンス・コード(以下CGコード)が改訂された際には、きちんと対応しなければという思いがありつつも、何からやれば良いのか分からなかったのが正直なところです。もちろん開示する重要性は認識していましたし、CGコード改訂以前も環境レポートを通して開示してきたつもりでしたが、どうやらそれでは足りないらしいという話も耳にして。当時当社には専門知識を持った社員がおらず、「どうすればCGコードにコンプライした内容で、外部に取り組みをアピールできるのか」分からず困っていたのです。そんな時に声をかけてくれたうちの1社が、エスプールブルードットグリーンでした。

環境情報の開示について当社にはノウハウがなく、自社だけで対応するのは難しいと判断していたので、勉強がてら色々なコンサル会社の提案を聞きました。その中でもエスプールブルードットグリーンの提案で印象的だったのが、我々の状況を受け止めて寄り添ってくれたこと。もちろん「この取り組みを進化させましょう」という提案もあったのですが、我々の現状を伝えた上で「できることから順に取り組んでいきましょう」「ここまで伴走しますよ」と寄り添って一緒に手を動かすことを提案してくれたのです。中でも開示文章案の作成が魅力的で、「こういう風に書く」という書き方から教えてくれるサービスがあったのは、エスプールブルードットグリーンだけ。どう書いたら良いか分からない我々にとってはとても心強く、当社に一番合っていると感じたためサポートを依頼することを決めました。

親切丁寧な対応が、唯一無二の魅力

“エスプールブルードットグリーンを実際に活用してみて、いかがでしたか。”

それこそ最初は専門知識がなかった分、初めて聞く用語も多くて。ミーティング中に初歩的な質問をした際は、1つひとつ親身になって答えてくれて助かりました。また我々は環境管理委員会のメンバーでもあるのですが、こうした手厚いフォローがあるからこそ、社内にも「次はこの認証を目指すべき」「こうすると理解につながりやすい」と分かりやすく共有することができています。

アイホン株式会社インタビュー中画像2
アイホン株式会社
管理本部 経営企画部 主幹
水谷様

あとはやはり伴走型のサポートが、当社にとってはとても有効でした。たとえば開示文章案の作成では、「○○の情報を収集してください」と明確な形で指示を投げてもらえるのです。そのため該当データを管理している部門にも、スムーズに依頼ができました。またデータ収集における経理との連携を通して、経費の利用先をより詳細に把握できるようになったという副次的な効果も。たとえば以前は交通費の内訳が曖昧でしたが、今は電車・バス・飛行機などから選択できるようになっています。こうした変化も、きっかけはコンサルタントの「より実態に近い数字を把握するため、経費データを細分化しませんか?」という提案でしたが、利用先を明確に把握することが可能になり、実施して良かったと思っています。

加えて「レスポンスの早さ」もエスプールブルードットグリーンの魅力の1つ。メールはもちろんですが、分からないことを聞いた時には「詳しく説明したいので、Webでミーティングをしませんか?」と提案してくれます。チームには歴の浅いメンバーもいるので、迅速かつ、理解しやすいようWebで説明してもらえることは我々にとってありがたかったです。このように親切丁寧な対応で伴走してもらえるからこそ、我々は2021年から長期にわたりエスプールブルードットグリーンにサポートを依頼しています。もちろん他コンサルの提案を聞くこともありますが、やはりこの「親切丁寧な伴走型のサポート」は他社には代替できないエスプールブルードットグリーンの魅力だと思うのです。

社内体制が整い、一人ひとりの意識が向上

“サービス導入の成果と、その後の波及効果についてはどう感じられていますか。”

成果の1つとして、サステナビリティ経営推進会議の設置を始め、取り組みが発展するにつれ社内意識が向上したことがあげられます。今では経営層から各部署の従業員へ教育し協力を求める体制が構築されていて、経営層もあるべき姿の意識を持っていると思います。

こうした意識の変化は社員一人ひとりにも広がっていて、ある時には営業担当から「環境への取り組みを踏まえて、こう売るのってどう思う?」と相談されたことも。我々から「環境に絡めて売り方の角度を変えてみては?」と提案することはあったものの、営業サイドから相談されたのは初めてでした。大きな驚きがあったと同時に、我々の地道な取り組みがきちんと社内に広まっていると感じられた出来事です。当社の場合、大手のゼネコンやデベロッパー、ハウスメーカーなどが取引先になるため、今後も環境対応と提案の親和性を高めていければ、会社の信頼度向上や「アイホンだから買う」選択につながると思います。

アイホン株式会社インタビュー中画像3
アイホン株式会社
管理本部 経営企画部
東郷様

一方外部的な効果で言うと、社外から環境関連の取り組みについて聞かれることが増えました。当社ではホームページにサステナビリティページを作ったり、CO₂削減目標と進捗を詳細に開示したりしているのですが、「組織の規模以上に充実している」と言っていただく機会が多いです。とはいえ取り組み当初は、我々自身も「大手企業と同じレベルの開示をする必要があるのか」悩んでいました。ただ実際にやってみると、「この取り組みについて教えてください」「うちではこう対応していて…情報共有しませんか」とお声がけいただくことが増えて。やはり発信する力や取り組みをきちんと外に開示することって重要だなと感じました。他社や他業界とのつながりや情報共有を通して、それぞれの企業の価値向上につなげられたら理想的ですよね。

削減を自分ごと化し、社内取り組みの活性化へ

“最後に、今後の取り組みについてお聞かせください。”

まずは「社内の取り組みを活性化させたい」というのが1つです。エスプールブルードットグリーンの支援を通して色々勉強できたので、それを社内に還元できたらと思っています。2023年には2030年のCO₂削減目標達成に向けて、部署単位でどういう取り組みをするか宣言してPDCAを回してもらいました。やはり営業や製造など実務をやっていると、CO₂削減のために何をしたら良いのか分からないと思います。ただ実際は「使っていない部屋の電気を消す」など実務の延長線上でできることも多くて。その程度で良い、それが環境配慮につながっていくことを理解して自分ごと化してほしくて、この取り組みを実施しました。

自社のCO₂を削減するには今お話しした足元の削減だけでなく、非化石証書やクレジットを購入して環境活動に投資してオフセットするという手段もあると思います。ただ当社は真面目で実直に頑張る社員が多いこともあって、まずは日常業務でできることからやっていこうという方針。「できることをやりきって、それでも達成しなかったら次のフェーズに移りましょう」というのは、初回のサステナビリティ経営推進会議で社長から言われていました。我々としてはこうした経営層の意思はしっかり引き継いで、今後も足元の削減を継続していく予定です。

加えて我々の企業ビジョンは「コミュニケーションとセキュリティの技術で社会に貢献する」こと。そのため社会に貢献するという視点で、環境に配慮したものづくりは継続していきたいと考えています。一方で取り組みの開示においては世界の経済状況も踏まえつつ、エスプールブルードットグリーンの力を借りながら対応し、企業価値向上に努めていく予定です。

[企業紹介]
アイホン株式会社:https://www.aiphone.co.jp/

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